味の素は31日、4月1日付で藤江太郎執行役専務食品事業本部長が社長に昇格する人事を発表した。西井孝明社長は社長を退いた後、6月下旬に特別顧問に就く。社長交代は2015年以来7年ぶり。中期経営計画の25年度目標に向けて構造改革が順調に進展していることから経営陣を刷新する。

 西井氏は15年の社長就任以降、社会課題を解決し社会と価値を共創する「ASV」の取り組みを推進し、経営システムとして整備。アミノ酸の働きで食生活や高齢化にともなう食と健康の課題解決に向けて構造改革を着実に進めてきた。

 次期社長の藤江氏は、国内だけでなく中国事業やフィリピン、ブラジル海外法人社長として経営経験が豊富で、13年以降は執行役員や執行役として味の素グループにおける企業文化変革の中核的役割を果たしてきた。

 同日、オンラインで記者会見した藤江氏は「創業以来積み重ねてきたアミノ酸技術や知見を最大限に生かして、健康寿命の延伸や環境負荷低減を実現する」と語り、「当社ならではの新事業モデルの創造とサステナビリティーの推進によって『幸せの素』を提供し続ける企業として持続的に企業価値を高めていきたい」などと述べた。

 〔藤江 太郎氏=ふじえ・たろう〕1985年(昭和60年)京都大学農学部卒、同年味の素入社。2008年中国食品事業部長、11年フィリピン味の素社長、15年ブラジル味の素社長、17年常務執行役員、21年執行役専務食品事業本部長。大阪府出身、60歳。

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