四国化成工業は、塩素化イソシアヌル酸製品の拡販に注力する。新型コロナウイルスに関連する需要により、顆粒や錠剤製品の3~4月売り上げが10倍規模に拡大。徳島工場北島事業所(徳島県北島町)ではフル稼働が続いており、供給量拡大を検討していく。

 顆粒タイプの除菌剤「ネオクロールスティック」はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを主成分とする製品。これまで老健施設・病院などを主なマーケットに、ドアノブや手すり、便座などの除菌や食器・衣類の浸漬洗浄などで多用されてきたが、除菌ニーズの高まりで新たなBtoB用途を開拓している。

 直近ではアルコール需給のひっ迫を受け、机やドアノブなど人手の接触する部位の清拭用途が急増。担当者によれば「(現状の)ひっ迫状況は当面続くとみる。ビルメンテナンスやバスの車内清掃などで接触感染予防・衛生管理用途が拡大する見込み」という。液体塩素(次亜塩素酸ナトリウム)に比べ、誰でも簡単に目的の有効塩素濃度の次亜塩素酸水を作ることができ、pH値が中性で肌荒れや洗浄品の脱色する恐れが少ないメリットを訴求していく。現在、一般消費者向け展開を検討中で、少量使用を前提とする分包品を製品化する予定だ。

 また、速溶タイプの錠剤「レジオハンター・ミニタブレット」は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを主成分とする発泡塩素錠剤。小規模浴槽を中心として入浴施設向けに展開してきたが、家庭向けのネット販売を通じて店舗器具の除菌にも用途が広がっている。

 両製品は、今後もノロウイルス対策などでも定着を見込む。クーリングタワーの冷却水向けに感染予防策となり得るほか、従来の水回り以外に室内用途の開拓を続けている。

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