国立国際医療研究センター(NCGM)は、武田薬品工業などが開発した新型コロナウイルス感染症に対する高度免疫グロブリン製剤の臨床試験を開始したと発表した。コロナ回復患者から血漿を集めて中和抗体のみを抽出した治療薬。今秋から米国などで行われている国際共同臨床試験で、日本でも症例登録が始まった。良好な結果が得られれば、コロナ治療薬として承認申請される見通し。

 米国立衛生研究所(NIH)の米国立アレルギー・感染症研究所主導で10月から行われている国際共同治験の一環で、日本でも症例登録が始まった。日本ではNCGMと藤田医科大学による医師主導治験として行われる。重症化リスクが高い入院患者を対象とし、目標症例数は約500例。うち10例を日本で組み入れる予定。主要評価項目は投与7日後の症状改善度。早ければ今年度中にも速報データが出る見込み。良好な結果が得られれば、日本では武田薬品が承認申請する予定。

 治験が行われるのは、コロナ回復者の血漿から精製した高濃度の抗体を含む免疫グロブリン製剤。武田薬品、米CSLベーリングなど血漿分画製剤事業を手がける企業12社が提携し共同開発した。武田薬品が提供する製剤など4種類を同時評価し、この試験結果を元に各製剤の承認申請が可能な立て付けになっているという。

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