小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に帰還し、リュウグウから採取したサンプルが入ったカプセルを送り届けた。来週にも開封され分析に着手する予定。今回の成果はJAXAをはじめ関係者の努力の賜物といえるだろう▼宇宙からは思わぬ贈り物が地球に届けられることもある。7月2日未明、関東上空に飛来した火球の正体が国立科学博物館などによって隕石であることが確認され、国際隕石学会に「習志野隕石」として登録された。国内では53番目▼その火球を追跡したグループがあることを知った。大気圏内の発光現象の観測情報をインターネット上でやり取りするSonotaCo Network(ソノタコネットワーク)。アマチュア天文家ら国内外約370名が登録している▼ソノタコが各所から集められた映像を分析、3日には落下推定位置が千葉県北西部であることを公表した。回収場所は予想の中心位置から10キロも離れていなかった。まさに玄人はだし。その精度の高さに驚かされた▼ソノタコは落下可能性がある広域図を公開している。新型コロナを考慮して組織的な現地調査を避けて、地元の人々による発見が続くことを期待しているという。その地域には自分の住居がある町も含まれている。われわれが住む地球が宇宙の一員であることを改めて感じさせられる。(20・12・11)

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