塩野義製薬は、新型コロナウイルスワクチン「S―268019」を追加接種する臨床試験(ブースター試験)を始めたと発表した。ファイザー製などを2回接種してから6カ月以上経過した人が対象で、ファイザー製を追加接種した場合との抗体価を比較する。開始が遅れている最終段階の臨床試験2本も月内に開始する。

 S―268019を追加接種用ワクチンとして使う場合の有効性、安全性を評価する臨床試験を国内で始めた。メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを2回接種し、6カ月以上過ぎた成人が対象。初回接種の開始時期をふまえると、当面は医療従事者か高齢者が主な対象になる見込み。約200人の登録を目指す。実際の発症予防効果ではなく、接種後の中和抗体価の変化を主要評価項目とし、ファイザー製を追加接種した場合と比較する。

 塩野義は同ワクチンの承認申請前に実施する最終段階の臨床試験を3本計画しており、追加接種試験が1本目になる。初回免疫用のワクチンとしてファイザー製などと抗体価を比較する国内試験、実際の発症予防効果をプラセボと比較する海外試験も年内に始める。3本とも11月中に始める予定だったが遅れている。

 これらの試験データと、10月から実施している第2段階の試験結果を確認してから承認申請手続きを始める。来年3月までの承認取得と供給開始を目指している。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

HP独自・先行の最新記事もっと見る