塩野義製薬は25日、新型コロナウイルス感染症経口薬「S-217622」の国内承認申請を行ったと発表した。第2/3相臨床試験(P2/3)のうち、P2後半部分の解析が完了し、その結果に基づく申請。早期承認制度の適用を希望した。承認されれば国産では初めて、国内では3つ目の経口薬となり、同感染症に対する治療選択肢が広がる。

 P2後半部分は、軽症・中等症の患者428例を対象とした無作為化割付を行ったプラセボ対照二重盲検比較試験。日本419例、韓国9例で、新たな変異株「オミクロン株」流行後の感染者を中心に評価した。低容量、高容量のそれぞれで1日1回、5日間、経口投与を実施した。

 抗ウイルス効果については、低容量、高容量ともにプラセボ群と比較し、有意に優れた効果を確認した。4日目でウイルス力価が有意に減り、主要評価項目を達成した。

 一方、症状改善効果に関しては、プラセボ群と比べて、改善方向に推移したものの、有意な差はみられず、主要評価項目は未達。ただ、喉の痛みなど呼吸器症状に足しては、低容量、高容量ともに有意な改善効果を確認できたとしている。安全性についても新たな有害事象などはなかった。

 今後、塩野義は同試験のさらなる追加解析データを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出する。また、軽症・中等症を対象とした目標症例数1260例のP3、無症状・軽症のみを対象とした同300~600例のP2b/3の評価も急ぎ、順次、公表・提出を進めていく。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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