塩野義製薬はアトピー性皮膚炎の重症度評価に使う検査キット「HISCL TARC 試薬」が、新型コロナウイルス陽性患者の重症化リスク判定補助の適応追加承認を得たと発表した。同キットは2014年にシスメックスと共同開発したもので、たんぱく質ケモカインの一種「TARC」を簡便に測定できる。新型コロナウイルス感染症において、重症化する患者では発症初期からTARC値の減少がみられると判明しており、兆候の早期発見が可能になると期待される。

 国立国際医療研究センター(NCGM)は、新型コロナウイルス感染症患者のうち、重症化群でTARC値の減少がみられると報告していた。同キットはアトピー性皮膚炎の重症度評価のためにケモカインTARCを測定しており、転用により新型コロナウイルス感染症の重症化予測が可能と判断し、適応追加の承認申請を行っていた。

 従来、コロナ感染症の重症化予測にはインターフェロンラムダ3測定キットなどが使われていた。TARCの簡便測定も利用可能になったことで発症初期からのより正確な重症化予測と最適な対応につなげられそうだ。続きは本紙で

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