塩野義製薬の手代木功社長は、10日開催の決算説明会で同社が開発中の新型コロナウイルス感染症薬の治験を今年度上期にも開始したい考えを明らかにした。複数の治療手段(モダリティ)からで有望化合物を選出後、詳しい作用機序は示さなかったが、変異株対応も見据えて、「低分子、経口剤にこだわる」と強調。特例措置も活用し、「年度内に決着をつけたい」と訴えた。

 現在、国内で第1/2相臨床試験(P1/2)を実施中の新型コロナワクチンについては、「条件付き承認の可能性も探っていく」として、場合によっては年内供給も可能との見通しを掲げた。今後、大規模な最終治験の実施と平行しつつ、厚生労働省などと協議を行う予定だ。先行品とは異なり、「1人1バイアルなので扱いやすい」としたうえで、年内提供をにらみ、増産体制も整えていく計画も打ち出した。

 手代木社長は新型コロナウイルス感染症の早期収束に「最優先線で取り組む。ヒト、モノ、カネすべてを投入していく」と今期の最重点課題に位置づける考えだ。

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