塩野義製薬は28日、新型コロナウイルス感染症薬として開発を進めている経口投与型抗ウイルス剤「S-217622」の国内第2/3相臨床試験(P2/3)を始めたと発表した。軽症の患者または無症状者を対象に、プラセボ投与群を対照として、1日1回、5日間の経口投与を行い、有効性と安全性を評価する。入院患者だけでなく自宅療養者らも治験対象に含める。

 今月27日に開始した。期間や規模などの詳細は明らかにしていない。7月から行った国内P1では安全上の大きな問題はなく、薬物動態についても目標としていた血中薬物濃度を上回る良好な結果を得たとしている。

 217622は、新型コロナウイルスの増殖に欠かせない酵素「3CLプロテアーゼ」を選択的に阻害する作用を有する。これにより、増殖を抑え込み、ウイルス量を減らすことで重症化の阻止や症状の改善を狙う。経口投与のため、治療の利便性も高まる。

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