きょう20日から8月6日までが夏土用。酷暑の時期だ。土用の起源である古来中国の「陰陽五行思想」によると、万物は木、火、土、金、水の5つの元素から成り立つ。季節において木は春、火は夏、金は秋、水は冬で、土はそれぞれの季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の直前約18日間に割り当てられた▼土用は古くから季節の変化を知らせる大切な役割を担う。春夏秋冬の土用ごとに大事にしている干支があり、それにちなんだものを食べるとよいとされる。夏土用は丑で、食すのに良いとされる「う」の付くものは鰻、うどん、瓜、梅干しなど。今年は期間内に2回の丑の日があるが、やはり鰻が定番▼だが、この鰻。産地の中国では上海のロックダウンなどで物流が滞っていることもあり、日本への輸出量が減少。円安の進行も影響し、中国国内でのウナギの消費が増えているという。今後ますます中国産ウナギが日本に入ってこなくなる可能性もあるのだ▼では国産鰻といきたいところだが、稚魚の捕獲量が減少しているのに加えて、材料費や輸送費、光熱費などの上昇で業者は厳しい状況を強いられている。価格転嫁もやむを得ない状況という。文字通り鰻登りの物価上昇。ならばこだわらず、今年は栄養たっぷりの具材を乗せたうどんで夏バテ防止もいいだろう。(22・7・20)

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