きょう2月8日は「人の事始め」。神様を迎える正月行事が終わり、農作業など人の一年の営みが始まる日だ。日本でもワクチンの接種が今月から始まる見通しで、アフターコロナへの期待が高まっている。しかし感染拡大はいぜん予断を許さず、期待と現実のギャップは狭まっていない▼そうしたなかでも、化学企業は新時代に勝ち残る算段をつけようと模索を始めている。動向を探るには昼の取材だけでなく、夜の会食もこれまでは極めて有効な手段だった。しかし緊急事態宣言で有効な手段が封じられ、夜回りや朝回りで補おうと仲間と奮闘している。広報の方々にはこの辺りの事情を汲んでいただけると幸いである▼一方で会食がなくなり、幹部が早い時間に帰宅している場合が多いのは夜回りには追い風。もちろん不在の場合も少なくなく、空振りに終わることも。そうしたとき、ご家族の方が出てきて「遅くまでご苦労様です」と声をかけていただくと、来て良かったと思えるのだ▼その帰り道、いつも記者って何だろうと考える。関係者が多いネタほど取材の量と質が問われる。応接室の取材だけでは足りない。歩き回って得た情報を総合して報道しよう、そんな情熱に溢れる仲間に頭が下がる。かつて上司が「本当の取材は夜だぞ」と言っていたのを思い出す。(21・2・8)

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