大正製薬は、殺菌成分であるCPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)の新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)不活化作用を確認したと発表した。0・0125%以上の濃度のCPC溶液に30秒間暴露したところ、99%以上が不活化した。オミクロン株の亜系統も流行するなか、同社では今後もCPCの作用について研究を進めていく方針だ。

 同社は昨年10月、熊本大学と共同でCPCの新型コロナウイルス不活化作用を確認している。今回はオミクロン株(BA.2系統TY40-385)を対象に、山口大学共同獣医学部獣医微生物学分野の早坂大輔教授および下田宙准教授への委託研究において試験管内実験を実施した。オミクロン株液とCPC溶液を1対9で混合し、10秒、30秒、1分、3分、5分間作用させた。その結果、0・0125%以上の濃度で10秒間の暴露後に97・67%、30秒後に99・98%を不活化することを確認した。

 CPCはコロナウイルスの脂質二重膜構造のエンベロープを破壊し、不活化するとされている。国内外でオミクロン株の亜系統であるBA.5系統などの流行が報告されており、これらの変異株も同様のエンベロープを有している。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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