企業は、環境が大きく変化する局面において、事業の再構築を検討する。市場が縮小したり、条件変化で利益を生み出せない事業については、縮小、撤退、売却といった決断を下し、新しい事業に大きくシフトする大胆な戦略が必要となる▼再構築を迫られるのは事業だけではない。変化に対応するには社員の意識を変革し、組織を活性化する必要がある。既存の組織の凝集性が高く、連帯感や仲間意識が強い場合、変化を過小評価し、現状を維持したいという力学が働きやすい。場合によっては組織ばかりか企業文化そのものを破壊し、新たに創造するような変革が必要となる▼さて、プロのサッカーチームを応援するようになって久しいが、サッカーチームの組織はライフサイクルがとても短い。良いチームが出来たと思っても、数年後にはメンバーが大きく入れ替わったりする。とりわけ監督の新陳代謝は激しく、どこかの政党の総裁のようにコロコロと入れ替わる▼ゴルフをするようになってからも久しい。我がバッグに収まるゴルフクラブは、そのライフサイクルの長さに特長があった。しかし、近年の技術革新のスピードは速く、再構築が避けられない▼先日、鳴り物入りで加入したドライバーは言うことを聞かず、2週間で解任した。大胆なシフトは口で言うほど簡単ではない。(21・9・7)

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