失敗とは何だろう。上手くいかなかったり、しくじったり、ネガティブなイメージばかり付きまとう。誰しも失敗はしたくない。しかし、どんなに優秀な人でも、どんなに失敗しないように準備しても、人間である以上、失敗する。ロボットでさえ失敗するときもあるだろう。物事が100%完璧に成功することなどないのだ▼しかし、失敗にも大きく2つある。何かに挑戦した結果による失敗と、挑戦しなかった結果による失敗である。前者には多くのご褒美が付いてくる。なぜ失敗したのか分析でき、別の方法を試すチャンスがある。翻って、後者は悲劇的だ。アインシュタインは「失敗したことがないという人は、何も新しいことをしていない人のことだ」と述べている▼一度してしまった失敗は取り消すことができない。まずは失敗の要因を分析し次善策を講じることが重要なのだが、たいていは失敗したことを後悔し縮こまり、次善策のはずが次善策でなくなったりする。物事には失敗が付き物。失敗は成功のもと。そう思えるかどうか▼新しいことに挑戦するには勇気がいる。周りから笑われたり叱られたりするのではという不安。でも、上手くいかなかったとしても死ぬわけでもなし、それがどうした。この不確実な時代、挑戦が未来を切り拓く。そう信じたい。(21・5・31)

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