予想外のことに振り回されているのは社会人も学生も同じ。緊急事態宣言が2月8日以降も出されていた場合、大学入学共通テストのみで合否を判定し、2次試験を行わない可能性がある大学も出てきた。新型コロナウイルスの感染防止対策の一環であり、受験生らの健康と安全を優先したものだ▼考えてみれば、昨春に入学した大学生は、いきなりオンライン授業を余儀なくされた。大学に一度も行くことができず、友達もつくれず、寂しい思いをした学生も多いことだろう。現在はオンライン授業と対面授業を併用している大学がほとんどだが、思い描いた学生生活とはほど遠い▼企業においては突然リモートワークを指示され、可能な職場から順次実行に移していった。やってみれば何とかこなせ、しかも通勤時間がない分、効率的との意見が多数を占めた。再度の緊急事態宣言でリモートワークの比率が引き上げられたが、生産性をいかに上げるかなど課題も挙げられている▼企業人は試行錯誤しながら、新しい常態に合わせた働き方を見つけていくしかない。一方、いきなり想定とは違った状況に追い込まれた学生達には、若い分だけ適応力と柔軟性が養われたと思って欲しい。これから社会を引っ張っていくうえで必要になるレジリエンスを身につけることは強みになるのだ。(21・1・28)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る