安藤パラケミーは、新たな除菌用アルコールの取り扱いを開始した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたアルコール製品の需要増に着目したもので、5月から販売を行っている。アジア調達品のエタノールを用い、高濃度で速乾性に優れるなど手指消毒に最適な強みを持つ。各種成分の配合は同社独自の処方によるもので、外部検査機関でも除菌性能を確認している。現在は協力工場を通じブレンドを行っているが、将来的には自社工場でのブレンド販売を目指す考え。

 安藤パラケミーは、エクソンモービルのイソパラフィン系溶剤などを取り扱う専門商社。また化成品、プロピレンオキサイド(PO)系グリコールエーテルに加え、炭酸エステルなど環境対応型製品も展開し基幹事業としている。

 新規商材の提案も進めるなか、海外ネットワークを含めた戦略も推進中。国際的な化学品商社の連合組織「プラスケム」へ加入し、グループ加盟企業のインド品や中国品の取り扱いを増やしている。また中国のノルマルヘプタン(n-ヘプタン)など、とくに高純度な海外品に力を入れている。

 同社はこのほど、海外調達のネットワークを生かし新たな高濃度アルコールの販売を開始した。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、アルコール製品の需要が高まっていることを受け除菌用途の商材として投入した。アジア調達品のエタノールを用い、水・イソプロピルアルコール(IPA)・グリセリン・香料を、独自処方の比率でブレンドしている。

 アルコール度数が高濃度のため速乾性に優れるほか、植物由来のグリセリンを配合し湿潤成分を含有しているため、一般の手指消毒時にも不快感が少ない強みを持つ。また除菌効果についても、外部検査機関を通じ黄色ブドウ球菌および大腸菌を検体に測定を実施。高い除菌性能を確認ずみとしている。

 アジアにネットワークを有する同社は、早期に新型コロナウイルス対策に取り組んできた。新アルコール品はパートナー企業などに一部で提供を行っていたが、今春以降に日本国内での感染拡大も進んだことから、5月に取扱品目のラインアップへ正式に追加した。

 荷姿はアトロン缶18リットルおよびSUSドラム200リットルでの販売に対応している。協力会社でブレンドしているが、将来的には現在構築を急いでいる行田工場(埼玉県行田市)で行うことも視野に入れる。そのため販売も、行田工場での生産につながる商品提案・開発・サポートをメインとする「VC(バリューケミカルズ)営業推進部」を軸に対応していく。

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