富士フイルムは、海外子会社のフジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ(FDB)が、米製薬大手イーライ・リリーが開発している新型コロナウイルス感染症向け抗体医薬の原薬製造を受託したと発表した。2021年4月からデンマーク拠点で製造を開始し、低・中所得国への普及に協力する。

 富士フイルムは今春、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が率いる世界最大の慈善基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」などが立ち上げた新型コロナ治療推進プロジェクトから治療薬のプロセス開発・製造を受託。このほどイーライ・リリーが開発プロジェクトからの支援で合意したことを受け、FDBが原薬製造を受託することになった。

 FDBのデンマーク拠点は、2万リットル動物細胞培養タンク6基などの大量生産設備を備える。現在は約1000億円をかけて原薬の生産能力倍増のための大型培養タンクの増設や製剤ラインの新設のほか、包装ラインの拡張を行うことで受託体制のさらなる強化を図っている。

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