富士フイルムは10日、人工知能(AI)が胸部コンピューター断層撮影(CT)画像を解析し、新型コロナウイルス感染症の診断支援をするプログラムの製造販売承認を取得、15日に発売すると発表した。淡いすりガラス影など同感染症で特徴的な肺炎症状に着目。同社の3次元(3D)画像解析プラットフォーム「SYNAPSE VINCENT(シナプスヴィンセント)」と連動し、肺炎が疑われる個所のマーキングやリスク評価を自動で行うことで診断をサポートし、医療現場の負担軽減に結び付ける。

 新型コロナの診断ではPCR検査や抗原検査などと併せて胸部CT検査を行う場合がある。だが、CTで撮影した大量のデータを医師が読み込み、診断するのは大きな負担となっている。

 提供するプログラムでは、肺炎を起こしている可能性がある個所を画面上で自動的に水色にマーキング。コロナ肺炎の所見が存在する可能性について自動で評価する。1から99の数値と、「高・中・低」の3段階で可能性が表示されるため、診断時の参考にもしやすい。

 また、シナプスヴィンセントの3D技術により、CT画像を再構成し、肺の断面を水平・垂直・前後の3方向から観察できる。さらに肺自体を立体化することで、全方向から手に取るように観察することもでき、診断効率化につながる。

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