富士フイルムは、バイオテクノロジー企業のVLPセラピューティクスジャパンが開発を手がける新型コロナウイルス感染症ワクチンの製剤に関する製造受託契約を締結したと発表した。VLPが日本で開発を目指すワクチンは、米国の親会社が持つ基盤技術を用いた自己増殖RNA(レプリコン)を有効成分とし、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)技術の一種である脂質ナノ粒子を用いた製剤。年内にも製剤プロセスの開発に着手し、2021年度中の治験薬製造を目指す。

 VLPセラピューティクスジャパンのレプリコンワクチンは、8月に日本医療研究開発機構(AMED)が公募した「新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発」(2次公募)に採択されている。今後は国立国際医療研究センター、医薬基盤・健康・栄養研究所、大分大学、大阪市立大学と共同で臨床開発が行われる予定だ。

 富士フイルムは3月、脂質ナノ粒子製造装置のリーディングカンパニーであるカナダのプレシジョンナノシステムズ(バンクーバー)とパートナーシップ契約を締結。RNAなどを有効成分に用いた次世代ワクチンのプロセス開発・製造受託ビジネスを推進している。VLPセラピューティクスジャパンの治験薬は子会社である富士フイルム富山化学の工場で製造を行っていく。

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