小野薬品工業の相良暁社長は、11日の決算説明会で新型コロナウイルス感染症薬に転用を進めている同社創製の「フオイパン」について「なるべく早く進めたい。小野としては上期中に結論を得たい」と早期の承認申請に意欲を示した。昨年6月に治験を開始、11月には最終治験に入っている。今月末までには患者への投与が終わるため、今後、データ解析を速やかに進めていく方針だ。

 フオイパンは慢性膵炎の治療などに使う薬剤で、1996年に特許が切れ、日医工などがジェネリック医薬品(後発薬)を出している。新型コロナウイルス感染症では感染初期段階で生じるウイルスの外膜と細胞膜の融合を阻止するとして、治療薬になる可能性をドイツの研究者が報告している。

 相良社長は、今回の取り組みに関して「先発薬メーカーとしての責任がある。コロナ対策にプラスになれば」と意義を改めて強調した。

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