自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に選出された。岸田氏は、先に行われた総裁選のなかで経済政策を重視する考えを示し、数十兆円規模の経済対策や、景気対策としての補正予算が必要と主張してきた。新政権は日本が抱える課題を克服し、成長へと導くことができるだろうか▼安倍政権の後半から菅政権にかけて、日本の成長戦略は「グリーン」「デジタル」が2大テーマに掲げられてきた。世界のトレンドと合致した妥当かつ重要なテーマといえよう。しかし、日本が抱える本当の課題は少子高齢化(人口減少)とエネルギーコストの削減であろう。岸田首相にはこの2つの課題に対するより具体的な回答を期待したい▼さて、いま話題の「親ガチャ」。親は選ぶことができない。つまり運によって人生は決まってしまうという考えが親ガチャであり、統計的にはその通りかも知れない。例えば、政治家の子は政治家になる確率が高い。しかし、それは古今東西そういうものであって、親が政治家でなくても政治家になる者はいる▼少なくとも日本に生まれた時点で、今日現在はそれほどレアリティの低いガチャを引いたわけではない。親ガチャはダメだったが、国ガチャは最高だから。次の世代にそう言ってもらえるように、政治家だけでなく今の世代が皆で頑張るしかない。(21・10・5)

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