島津製作所は15日、新型コロナウイルス変異株をPCR検査で検出する研究用試薬「プライマー/プローブセット」のラインアップを追加したと発表した。5月に発売したN501Y変異に加え、デルタ株、イプシロン株が有するL452Rと、ベータ株、ガンマ株、シータ株が有するE484Kに対応した2セットを14日に国内で発売した。

 島津では検体処理液、反応液、酵素液で構成する研究用試薬「新型コロナウイルス変異検出コアキット」とウイルスを検出する同セットを別に提供。変異検出に柔軟に対応できるようにしている。

 両者を併せることで、特定の変異部位を唾液や鼻咽頭拭い液などの検体から直接検出することが可能。RNAの抽出・精製工程が不要で、検査を約1時間で行える。

 L452Rは免疫から逃れやすく、感染力が増している可能性が指摘。E484Kは免疫やワクチンの効果低下が示唆されている。島津では5月下旬からそれぞれに対応した2セットを一部検査機関に試験販売してきたが今回、三条工場(京都市中京区)で量産体制を構築した。

 同セット(100検査分)の税別価格はいずれも3万5000円。2セット合わせて月産1万検査分の生産を見込む。コアキット(同)の税別価格は19万5000円。その他の変異にも対応していく方針。

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