島津製作所はこのほど、受託分析子会社の島津テクノリサーチ(京都市中京区)が新型コロナウイルスPCR検査システム「京都モデル」の基礎技術を確立、実証実験を開始したと発表した。特定施設の下水(トイレ排水)を検査し、集団での感染有無を判断。陽性となれば、個別に検査して感染者を特定する。4月末にも商品化して京都府内の施設に訴求する。島津製作所本社で会見した島津テクノリサーチの八十島誠分析研究センター長は「理論上、1万人分の下水から1人の感染の把握が可能だ。無症状陽性者の早期発見にも寄与できる」と強調した。
 感染者の糞便には発症前からウイルスが存在するといわれる。島津テクノリサーチでは、京都大学の田中宏明教授らと同モデルの構築を進めてきた。今後、京都府、京都市の協力の下、社会実装を目指す。感染者が確認されている同市内の2施設で実証実験を進めていく。
 ターゲットとなる施設は高齢者福祉施設や教育機関、医療機関など。まずは、排水タイミングやマンホールの位置などを確認するカウンセリングを実施。その後、資材などを設置、定期モニタリングに移行する。カウンセリングから感染者の特定までは最短で5日間となる。

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