きょう9月9日は「救急の日」、この日を含む5日から11日までの1週間は「救急医療週間」だ。救急医療や救急業務に対する正しい理解と認識を深め、かつ救急医療関係者の意識高揚を図る目的で1982年に当時の厚生省が定めた。さまざまなイベントも開かれるが、感染防止のため昨年に続き中止が相次ぐ▼この期間は増え続ける救急車の要請についても適正な利用を求めている。ただ、衛生意識の向上や不要不急の外出自粛といった行動変化は急病や交通事故、一般負傷などの減少につながっている。一方で、現場到着や病院収容までの所要時間は、救急現場における新型コロナウイルス感染症への対応などで延伸しているケースもあるそうだ▼現状は感染拡大で混乱している。消防庁によると、救急車が到着しても搬送先の病院がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は8月9~15日に過去最多の3361件となって以降、3000件を上回る週が続いた。コロナ感染の疑いがある事例が多くを占めた▼感染拡大への危機感は高まるが、ワクチン接種の予約は取りづらい状況が続く。以前、抽選のため長蛇の列を成した都内の若者たちの姿は焦りのようなものを感じさせた。救急現場を含めた医療従事者に感謝しつつ、ワクチンやPCR検査が身近な言葉でなくなる日を待ち望む。(21・9・9)

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