気がつけば、今年もあと3カ月半を残すだけとなった。普通の年ならそう書くところだが、今年に限ってはまだ3カ月以上も残っているのか、と言いたくなる。不気味で不穏な空気に包まれたこの年。違和感の連続ともいえる西暦2020年、あるいは令和2年というこの年が早く終わり、希望の光が見える新たな年を迎えたい。そう思うのが人情というものだ▼しかし、そんな後ろ向きなことを書いた途端、別の気持ちも湧いてくる。人生は気持ち次第。悪いときこそ強い気持ちをもって溌剌と生きていくべきではないか。良いときと悪いときは交互にやってくる。ピンチをチャンスと捉え、次の成長につなげていくべきではないのか。世の経営者はみな、そう言っているではないか▼そして、ここまで書くと結論が見えてくる。悪いといっては嘆き、良いといっては浮かれていても仕方ない。良いときも悪いときも一日一日を大切に生きればいい。なんだか似ている。芝の上のあの競技に▼最低気温が13度Cまで下がりました。週末、北海道に住む人の投稿にはっとした。東北地方でもコタツを出したとの書き込みがあった。人の世に良いこと悪いことが起きようとも、季節は確実に移り変わっていく。どうやら猛暑は去り、あの競技にとって絶好のシーズンが到来したようだ。(20・9・15)

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