国立感染症研究所(感染研)は、英国から報告があがっている感染性の高まりが懸念されている新型コロナウイルス変異株の分離に成功した。昨年末に空港検疫で見つかった患者由来の検体から採取した。今後、感染研は変異株の性状・病原性の解析、治療薬・ワクチンなどに関する研究開発を進めていく。併せて、試験研究に利用する国内外の研究機関に広く配布する予定だ。

 英国の変異株については、伝播しやすさが最大70%程度、増加するとの推定が出ている。現在、日本では空港検疫などで確認した陽性者から得た検体を対象に感染研がゲノム解析を進めており、南アフリカで報告された変異株も含めて1月4日までの時点で合計21例を確認している。

 感染研は、リアルタイムPCR法を用いた迅速な検査法によって変異株の「検出を確認」(脇田隆字所長)できたといい、マニュアルへの記載などを通じ、地方衛生研究所などで使えるようにしていく方針だ。また、国内では「変異株が流行しているとは考えてない」(同)ものの、同検査法を活用したモニタリング体制の構築も急ぐ。

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