政府は12日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・岸田文雄首相)を開催し、「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」を決定した。医療提供体制の強化やワクチン接種の促進、治療薬の確保など4項目が柱で、経口薬の年内実用化を目指すことなどを盛り込んだ。冬に向け、第6波の到来が懸念されるなか、最悪の事態を想定し、備えていく。

 ワクチン、検査、治療薬などの普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化するというのが基本的な考え。感染力が2倍になった場合にも対応できるようにすることに主眼を置く。ひっ迫が生じた病床に関しては、月末までに3万7000人分を確保する方針も掲げた。

 焦点となっている経口薬に関しては、治療へのアクセス向上と重症化予防によって、「国民が安心して暮らせるようになるための切り札」と位置づけた。国産を含めた経口薬の年内実用化を促すため、1剤当たり最大で20億円を支援する。

 また、感染力2倍で最大35万回分、同3倍で同50万回分の治療薬が必要との見通しも示し、まず中和抗体薬で2022年初頭までに約50万回分を確保する。経口薬については計60万回分が目標だ。感染拡大に備え、上積みも図る。

 一方、全体像では検査体制を充実する方針も打ち出した。ワクチン未接種者を対象に、予約不要の無料検査が行えるようにする。感染拡大時には、都道府県の判断の下、無症状者にも対象を広げる。PCR検査の実勢価格を踏まえた保険収載価格の検証も進め、年内をめどに必要な見直しも行う。

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