【シンガポール=中村幸岳】4月半ばまでフルロックダウンを実施中のインドで、化学品市場への影響が深刻化している。石油化学品の生産設備は運営を続けているものの、稼働率は低い。自動車や家電の生産、公共事業などが軒並みストップし、合成樹脂や各種化学品の基礎需要が大幅に落ち込んでいる。
 商社筋によると、同国では4月第1週から主要港で通関業務が一部再開されたが、輸出入とも荷動きは極めて鈍い。書類などの国際宅配も、政府が再開させると発表したものの動きがない。
 別の商社によると、内需の5割以上を輸入に依存する塩化ビニル樹脂はスポット市場がほぼ消滅。長期契約分も従業員不足による港湾業務停滞で荷揚げが滞っている。他の化学品を含め、新型コロナウイルスの感染を恐れる港湾担当者の荷揚げ拒否で、仕向地を変更せざるを得ないケースもあるという。
 同国石化最大手のリライアンス・インダストリーズはグジャラート州の製油所・石化コンビナートが操業継続中だが、低稼働を強いられている。

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