シスメックスは、新型コロナウイルス感染症を高感度に20分以内で診断できる検査技術の開発を始めた。検査に数時間以上を要するPCR検査に比べて簡便で、イムノクロマト法に比べて感度に優れる。小規模な医療機関でも設置しやすい小型装置で、クリニックなどでの需要を見込んで早期の実用化を目指す。
 6日にウェブを通じて開催した技術説明会で明らかにした。シスメックスは新型コロナウイルス感染症に対して複数の検査の開発に取り組む方針。すでに着手しているのがPCR検査試薬で、次に抗原抗体反応の仕組みを利用した検査薬を開発する。鼻咽頭から採取した検体に含まれるウイルスや抗体を測定し、20分以内に検査できる。
 すでに卓上型の小型免疫測定装置を開発ずみで、大型装置と同等の検査性能があることを確認している。IoT(モノのインターネット)機能を搭載し、スマートフォンなどで簡単に操作できる利点もある。新型コロナ向けの検査試薬の検討を始めており、「できるだけ早く開発したい」(浅野薫取締役専務執行役員)考え。
 臨床検査室や検査機関向けに展開している全自動免疫装置「HISCL」でも新型コロナを検査できるようにする。血液を用いて診断でき、大量の検体を処理できる。今後開発・実用化が進むワクチンや治療薬の効果の把握にも役立てられるという。

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