化学業界専門のコンサルティング会社である徳勁商務諮詢(上海)有限公司(デイドリーム)は新型コロナウイルスの影響について顧客企業136社にアンケート調査を実施した。中国のみならず世界で化学産業に悪影響をもたらすとの悲観論がある一方、飼料穀物・農薬や食品・栄養、医療設備、ポリマー・複合材料などの分野では末端ユーザー市場が今年、必ずリバウンドするとの楽観論も多かった。
 アンケートの調査期間は2月20~28日。欧州(47%)、北米(21%)、アジア(20%)、中国(9%)に本社を置く企業の高級管理職やセールス・マーケティングの責任者から回答を得た。対象の過半数は特殊化学品メーカーで、電気・電子、自動車、接着剤・シーラントなどに関連している。
 海外事業への影響では65%が影響は大きくないと回答し、36%が中国での業務への影響は軽微だと答えた。また、63%の企業が中国事業は20年上半期に回復すると予測。最も影響を受けているのはアジアの企業であり、サプライチェーンや末端顧客のほとんどが中国大陸にあり、短期的に代替品が見つからないことなどを理由としている。
 足元で懸念される問題としては「物流」や「政策」、「今後の経済環境の不確実性性」、「原材料や人手不足」、「需要の低下」、「社外営業活動と社内通信が阻害される(特に出張や訪問など)」ことなどが挙げられた。

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