塩野義製薬は23日までに、新型コロナウイルスに有効性が期待できる化合物3品目を同社保有のライブラリーから見いだしたことを明らかにした。北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターとの共同研究に基づく成果。一部化合物については、社内試験で有望性を確認した。今後、同ウイルスを含めた感染症を対象に、事業化の可能性を検討していく。
 ライブラリーへのスクリーニングで得た3品目は、いずれも低分子系化合物。19日に実施したR&D説明会で新型コロナウイルス株に関する探索データとして概要を紹介。このうち1品目は、インビトロ試験で有効性があるとの速報値も示した。
 感染症をコア領域の一つに位置付ける塩野義は、内外で豊富な経験を持つ同センターと組み、新興再興感染症ウイルスに対する化合物スクリーニング系を構築している。新型コロナウイルスの流行にともない、両者は同ウイルス株を使用した創薬研究に着手。スクリーニングを通じ3品目を見いだすにいたった。
 塩野義では、新型コロナウイルスに対して迅速検査キット導入に向けた検討も行っている。

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