日水製薬は28日、新型コロナウイルスなどを検出するためのPCR用試薬と検査機器を3月に発売すると発表した。英国企業が海外で販売している製品を日本に導入し、新型コロナの検査需要に応える。新型コロナだけでなく、インフルエンザなど呼吸器症状が似ている感染症も同時に検査できる。また、クリニックなどでも簡単に測定できる検査キットの国内導入も計画している。
 英ランドックス・ラボラトリーズが開発したPCR用試薬「レスピラトリー・マルチプレックス・アレイ108バイオチップ(研究用)」、専用検査機器「エビデンス・インベスティゲーター・モレキュラー・パッケージ」を発売する予定。日水製薬によると最終的な価格などについてはランドックス社と交渉中だが、試薬が80万円(108テスト分)、機器が800万円程度になる見込み。3月上旬にも販売開始する。
 新型コロナのPCR検査試薬は他社からもすでに供給されているが、ランドックス社の製品は他のウイルスも同時測定できるのが特徴。COVID-19のほか、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)、インフルエンザなど9種類を1度に判定できる。1試薬カセットで同時に9検体まで処理でき、遺伝子の抽出から結果までを5時間程度で行える。
 同社はイムノクロマト法の試薬も日本で発売する予定。ランドックス社とは異なる海外企業の製品で、国内導入に向けて交渉中という。発売されれば、クリニックや開業医の臨床現場でも簡易に新型コロナウイルスを測定できる。

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