米国立衛生研究所(NIH)は16日、新型コロナウイルスに対するワクチン「mRNA-1273」の臨床試験を米国で開始したと発表した。NIH傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)とバイオベンチャーの米モデルナが共同開発したワクチン。米ワシントン州シアトルの医療機関で、最初の被験者への接種が同日行われた。
 米シアトルの医療機関「カイザー・パーマネンテ・ワシントン・ヘルス・リサーチ・インスティテュート」で、mRNA-1273の第1相臨床試験(P1試験)が開始された。18~55歳の健康成人を約45例登録し、用量別に3つのグループに分けて行う。4週間空けて2回接種し、2回目の接種から12カ月かけて観察する。安全性と免疫反応をまず評価し、免疫原性も副次的に評価する。モデルナによると、P1試験の実施と並行して同社によるP2試験の準備も進めている。
 mRNA-1273はヒトへの感染の足がかりになるたんぱく質をコードしたmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン。従来の鶏卵培養などによるワクチンと異なり、ウイルスを一切使わず人工的に合成できるため、短期間で安全に開発できるとされる。

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