新型コロナウイルス感染防止に向け、化学企業が対応策を強化している。三井化学は3日夕方、4日から19日まで東京本社在勤者を原則テレワーク(在宅勤務)での勤務とすると発表。昭和電工は4日、生産拠点も含め公共交通機関を利用する従業員が多い事業所を対象にテレワークを開始した。宇部興産や昭和電工、JSRなども原則テレワークへと移行している。住友化学は2日から自宅勤務ができる社員はテレワークを可能とし、三菱ケミカルホールディングスや旭化成、クラレなども対策のレベルを引き上げている。
 三井化学は派遣社員を含む本社汐留地区在勤者約1300人を原則テレワークとした。業務上出社が必要な場合は職場ごとに調整するが、その場合もフレックスタイム制度による時差出社を積極的に活用する。本社汐留地区以外の従業員および本社地区関係会社はそれぞれの状況に応じ判断する。
 宇部興産が原則テレワークの対象とするのは、感染者発生地域で勤務し在宅勤務可能な社員約600人。期間は14日まで。派遣社員についても原則としてテレワークまたは自宅待機(出社扱い)にする。出社が必要な場合は時差通勤や当番勤務などの対応をとる。
 昭和電工は4日から13日まで東京、京浜、千葉、大阪、名古屋、福岡地区および川崎事業所、千葉事業所、横浜事業所の従業員を対象にテレワークを実施。JSRも本社や四日市工場など公共交通機関を利用する日勤社員を対象にこれまでの「推奨」から「原則」への引き上げた。15日までは一部役員も含め、やむをえない事情を除き出社しない方針。
 日本ゼオンは2月25日から業務に支障のない社員について基本的にテレワークへと移行、DICは2月28日から今月13日まで本社勤務者について原則時差出勤とテレワークとする。工場と研究所についても公共交通機関利用者は同様の扱い。サカタインクスは営業部門は極力出社しないようにし、管理部門については2グループに分け、半数を在宅勤務にした。
 住友化学は2日から2週間、昼勤勤務者を対象にフレックスタイム制(コアタイムなし)を活用した時差出退勤および有給休暇の取得、ストック休暇の特例取得を奨励。自宅での勤務が可能な社員はテレワークを可能とした。三菱ケミカルHDは、すでにテレワークのレベルを「強く推奨する」と一段階上げており、旭化成やクラレ、ダイセルも感染リスクの低減に向け在宅勤務や時差出勤の要件を緩和している。

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