年末年始にかけて、新型コロナウイルスワクチンの導入が各国で進んでいる。欧米企業で3番手で開発された英アストラゼネカ(AZ)のワクチンが、英国などで緊急承認。米ファイザーと独ビオンテックのワクチンは、欧米で2回目の接種が始まり、日本では2月下旬の接種開始に向けて急ピッチで審査が進められる。

 AZのコロナワクチンは、先月30日に英国で緊急承認されたのを皮切りに、メキシコ、インドなどでも承認された。同ワクチンは超低温管理が必要なファイザーなどのワクチンと異なり、通常の冷蔵庫(2~8度C)で6カ月以上保存できる。

 欧州では、米モデルナのワクチンが6日にも条件付き承認される見込み。当局が4日に緊急会合を開いて前倒し承認を検討したが、持ち越しとなった。日本では武田薬品工業が今月から治験を行う。

 日本では、先月申請されたファイザーらのワクチンが、2月下旬の接種開始に向けて承認審査が加速。国内治験データの提出時期を、来月から今月中に前倒しする。

 承認手続きが進む一方、接種率は政府の期待を下回っているようだ。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では年明けまでにファイザー、モデルナの2ワクチンが計1500万回分超供給されたが、実際に接種されたのは約450万回にとどまっている。

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