米マサチューセッツ総合病院などはこのほど、新型コロナウイルスに対するワクチン開発で、スイス・ノバルティスが買収した米アベクシスと提携すると発表した。アベクシスが開発した遺伝子治療薬の技術基盤を活用し、ウイルスベクターによる新型コロナワクチンを開発する。年内に臨床試験を始める予定で、アベクシスが治験薬を供給する。

 マサチューセッツ総合病院、マサチューセッツ眼科耳鼻科病院の主導で、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた新型コロナワクチンを開発する。コロナウイルスの抗原たんぱくの遺伝子コードをAAVベクターに組み込んだワクチン。アベクシスはAAVベクターを用いた医薬品の製造技術があり、同ワクチンの開発に製造協力する。先月、治験薬の製造を開始した。

 アベクシスのAAVベクター技術は、さきごろ日本でも発売された脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」に応用された技術。ノバルティスは数年前にワクチン事業を英グラクソ・スミスクライン(GSK)へ売却しているが、新型コロナウイルスでは間接的に関わることになる。

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