新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、AI(人工知能)を用いたサービスの現場導入が始まっている。さまざまな経済活動の本格的再開には、感染予防対策が不可欠。収束への明確な道筋が見通せないなか、AI搭載カメラでの発熱者の迅速な検知や、人と人との距離を保つシステムを取り入れる動きがさらに加速しそうだ。

 ソフトバンク子会社の日本コンピュータビジョンは、AI顔認識技術を活用した高速体温測定システムを開発。農林水産省や文部科学省、総務省、北関東循環器病院(群馬県)に導入されている。入退館と体温測定を同時に管理可能な「顔認証・体温測定ソリューション」の体温測定とマスク検知・通知機能を活用した。

 11万の温度点から、独自アルゴリズムで通行者の体温を±0・3度Cの精度で測定。非接触・ウォークスルーで0・5~1・5メートルの距離から0・5秒以内に体温と顔を検知する。マスク未着用、体温異常を検知してリアルタイムに通知できる。

 アイリスオーヤマは、4月に最大20人を同時に体温測定できるドーム型と、軽量で持ち運び可能なハンディ型のAIサーマルカメラ2機種を発売。駅舎や病院、オフィスなど入場セキュリティ確認が必要な場所への設置を想定しており、問い合わせが相次いでいるようだ。

 AI搭載カメラを手がけるアースアイズ(東京都港区)と日商エレクトロニクスは、AIを使った「ソーシャルディスタンスカメラ」の販売を開始。3D空間認識技術で施設内外の人数や人と人の距離を認識し、混雑レベルを検出する。

 300坪程度の小売店の場合、メイン通路約3カ所に設置。カメラが検知した人同士の間隔のデータをAIで解析し、ホームページや施設責任者のスマートフォンに密集レベルを通知する。利用者はスマホでホームページの画像を見て混雑状況を把握。出入口人数カウントカメラとの連動で混雑時間も予測できる。

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