ゲノム編集技術「CRISPR(クリスパー)」を開発したベンチャー企業、米マンモス・バイオサイエンスは、同技術を応用した新型コロナウイルスの簡易検査キットを開発すると発表した。英グラクソ・スミスクライン(GSK)のコンシューマー部門と提携し、個人でも使用できる一般用医薬品(OTC)検査薬として製品化を目指す。PCR検査と同等の精度で、20分以内に結果が分かるという。

 マンモスが開発した遺伝子検査法「DETECTR」による検査薬を、GSKコンシューマー・ヘルスケアと共同開発する。DETECTRはゲノム編集技術「クリスパー・キャス12」を応用し、鼻腔の拭い液からウイルスの遺伝子コードを検出する検査法だ。同社が先月発表した実証試験データは陽性的中率(PPV)95%、陰性的中率(NPV)100%で、PCR検査と同等以上の検出精度があることを確認している。試験では判定時間を45分としていたが、20分以内に結果が出る検査キットとして開発する。

 まず米国の医療機関向けに供給する計画で、年内に米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)取得を目指す。その後、OTC検査キットとして一般向けにも発売し、GSKの販路を活用する考え。

 マンモスは、クリスパー・キャス9を開発したジェニファー・ダウドナ氏らが創設したベンチャー企業。クリスパーを応用した検査薬などを開発している。

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