日本で新型コロナウイルス迅速検査キット活用の環境が整ってきた。13日、富士レビオは同社の同社の抗原検査キットが製造販売承認を取得したと発表。東洋紡のキットは保険適用対象となり、臨床現場で使えるようになる。関東化学は横浜市立大学と共同開発した試薬を6月に試験研究用として発売するほか、スイスのロシュ・ダイアグノスティックスも抗体検査薬を日本市場に投じる。

 富士レビオの検査キットは、30分以内という短時間で判定できるのが特徴。複数種類の抗体によって新型コロナウイルスのたんぱく質を捕捉する。保険適用も決まった。現在、宇部工場(山口県)で週20万検体分の体制を整えている。

 東洋紡も、4月に発売したキットが保険対象に入った。通常、150分以上かかるPCR法による新型コロナウイルスの抽出から検出・測定まで最短60分で行えるのがポイント。敦賀バイオ工場(福井県敦賀市)で、最大で月数10万検体分の生産能力を構築しており、国内医療現場での普及を目指す。

 関東化学は、最短15分で判定可能なイムノクロマト試薬を試験研究用試薬として来月発売する。血清をカートリッジに滴下し、浮かび上がるラインで判定。国内試験研究機関などに順次販売する方針だ。安定供給に向け、伊勢原工場(神奈川県伊勢原市)の能力増強も進める。

 ロシュ・ダイアグノスティックスも、欧米で承を得ている抗体検査薬を日本で展開する。研究向けで実績を重ね、今後、保険適用を狙う方針。20分弱という短時間で判定可能で、既に国内で導入済みの自動免疫検査装置で利用できるのもメリットだ。

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