新型肺炎の感染の広がりを受けて中国国内でマスクが不足するなか、樹脂材料大手の金発科技股份有限公司(広東省広州市)が不織布用ポリプロピレン(PP)などの研究開発、生産に乗り出している。既存工場のラインを改造することで足元では1日当り200トンの生産体制を整備。今後は同500トン規模に引き上げる考え。すでに顧客の評価試験をクリアし、量産を開始している。
 同社の袁志敏董事長をトップに研究開発チームを立ち上げ、メルトブロー不織布用PPやノーズフィット原料の研究開発・生産を始めた。広東省の科学技術庁などの支援を受け、10日間で技術プランを設計。広東省の清遠や天津、成都、上海、昆山などの既存工場の生産ラインを改造し、中長期的には1日500トンの能力を確保できるとする。
 同社は、マスク原料の他、防護服用通気性フィルムの原料も生産している。春節(旧正月)休暇中の1月29日に防護服メーカーの緊急注文を受けて生産を開始。24・8トンの通気性フィルム原料を武漢に輸送した。現在の1日当りの生産能力は220トン。今後、武漢基地の回復後は能力を50%程度拡大する見込み。

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