新型コロナウイルス(COVID-19)に対するワクチンの研究開発が、欧米の製薬大手と政府機関により一段と強化されている。すでに開発着手を発表している米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や英グラクソ・スミスクライン(GSK)に続き、仏サノフィもワクチン開発への参入を表明した。各社ともSARS(重症急性呼吸器症候群)やエボラ出血熱などに対するワクチンを手がけた実績があり、公的機関と協力して早期の臨床試験入りを目指す。
 サノフィは18日(現地時間)、ワクチン事業部門のサノフィパスツールが米国保健福祉省の米国生物医学先端研究開発局(BARDA)とワクチンの研究開発で協力すると発表した。両者はこれまでもインフルエンザやデング熱などのワクチン開発で協力している。SARSなど、さまざまな感染症のワクチンを開発したサノフィの遺伝子組み換え技術を活用する考え。
 J&Jも同日、子会社のヤンセン・ファーマシューティカルズを通じて、BARDAとの協力を拡大すると発表。すでにワクチン開発で提携を結んでいるが、治療薬の研究開発にも着手する。ヤンセンが保有する候補化合物のライブラリーを使って、新型コロナウイルスへの有効性が期待できる化合物をスクリーニングする。臨床開発段階以降の化合物ライブラリーであるため、一定の安全性は確認ずみとみている。
 ワクチン大手では英グラクソ・スミスクラインも、官民連携パートナーシップの感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とワクチン開発加速に取り組むことを発表している。

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