ゴールデンウイークが目前に迫っているが、新幹線にでも乗って遠出しようという気分には到底なれない。去年の今頃は「今年は我慢して来年こそは…」とあれこれ計画していたものだが、新型コロナの感染再拡大で実行に移すのは難しくなってしまった▼旅や出張の起点となる東京駅は駅弁の購入などで度々お世話になっている。エキナカ・エキソトとも店舗の充実ぶりは目覚ましい。昨年8月に開業した専門店街「東京ギフトパレット」は外観にも工夫を凝らしている▼柱、天井、壁などの装飾に東海道新幹線700系のアルミ車両が再利用されていることを知った。700系は「カモノハシ」の愛称で知られ、昨年3月に引退。従来、アルミ車両は解体されて鉄鋼を製造する際の脱酸材などして活用されていたが、意匠性が高い装飾材としてアップサイクルされた▼アルミに付着していた塗装などの不純物を取り除いた後にスクラップ材料を溶解・精製。純度が高いアルミ合金だけを抽出する技術が肝になるようだ。新幹線に使われるアルミは強度に優れるため建築材料、精密機械部品などにも応用が期待されている▼リサイクルの用途が広がればCO2排出削減につながる。JR東海は新型車両「N700S」の荷棚など車両の一部に活用する水平リサイクルの取り組みも進めている。(21・4・23)

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