日本化学工業協会の森川宏平会長(昭和電工社長)が化学工業日報の取材に応じ、SDGs(国連の持続可能な開発目標)の達成に向けて「化学産業は大きな役割を担っている」として、技術開発などのスピードを上げるために「オールジャパンで取り組むべき」と語った。廃プラスチック問題への対応で注目されるケミカルリサイクルの社会実装には「本質的なイノベーションが不可欠」と言及し、官民を挙げてモデルづくりを進める必要性を示した。

 - 化学産業の強みをどのように認識しているか。

 「質問にお答えする前にまず、今回の令和2年7月豪雨で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたい。化学業界を代表する者として、皆様が安心して生活される日が1日も早く来ることを願うとともに、気候変動への対策などサステナブル(持続可能)な社会づくりを進める使命を感じている」

 「化学産業の特徴は、その時代に求められる産業に素材を提供していることだ。例えばアンモニアも国内消費の軸足は肥料用から工業用へと移ってきた。各社が時代を読んで対面する業界を変え、産業の栄枯盛衰の歴史を生き残ってきたのが化学の姿。それを可能にしたのが各社各様の技術、素材のポートフォリオで、それが多様性という強みを化学産業にもたらしている。この多様性こそが化学産業が世の中に必要とされる前提条件であり、それをどう生かし、増やすかが、今までも、そしてこれからも化学産業に求められるテーマだ」

 - 今の時代に化学産業が直面する課題は。続きはこちら

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