しばらく自粛していたが、久しぶりに映画館へ足を運んだ。もちろん終始マスク着用だが、三密を避けるため座席は1席ずつ間隔が空けられ、実にゆったりしている。封切り間もない人気のある作品だったが、列の前後は交互に人が座るため、前の人の頭も全く気にならない▼全て自由席だった昔の映画館は定員に関係なく、人気作品だと大変な混み具合で立ち見も当たり前。しかし、火災や事故などが起きた時の2次被害の可能性が高かった。米国では1980年代に「スター・ウォーズ」が大ヒットし、何回も続けてみる客が多く新しい客が席に座れなかったことも1回総入れ替え制導入の理由だそう▼久しぶりに家族で立ち寄ったファミレスも見事に改装されていた。テーブルの間は距離が保たれ、三密回避の対策が随所に見受けられる。牛丼チェーンなどではカウンターを1席ずつパーテーションで仕切るのも当たり前の風景になった。外食を控えていた間に飲食店では存続をかけ色々と努力していた▼ここで思う。コロナ禍が終息したらテーブルの間隔は詰められ、カウンターのパーテーションは取り払われるのだろうか。映画館も席を空けなくなるのか、それとも席の間隔を充分に保った列に改装するのか。ニューノーマルの行き着くところはどんな風景か、大いに気になる。(20・8・27)

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