<化学週間18~24日>

 持続可能な社会を実現すべく、世界が2050年のカーボンニュートラルに向け舵を切った。50年は人口が100億人に増大し、水や食糧、資源の枯渇が懸念される一方、新興感染症やバイオ、デジタル技術の進展が社会のあり様を一変すると予想される。社会、経済が大きく変容する50年はどのような未来か。今すべきことは何か-。18日に始まる化学週間を、不確かな未来を考察する機会とするべく6人の識者の声に、そのヒントを得たい。初回は素材開発やブランドコンサルを手がけるhide kasuga 1896の春日秀之代表。素材産業は川下へ進出して市場を興し、独自ブランドを築く必要性を説く。

■…日本の素材産業に対し「ブランディング力」の欠如を指摘しています。

 「過去30年、日本のものづくりが規模の成長を実現できず疲弊してきた要因にプロダクトの機能競争に終始してきたことが挙げられる。機能による市場ニーズの拡大が鈍化した際、欧州はブランド力で付加価値を高めることで収益を確保できるが、日本は戦後から続く『いいものを安く』売る概念を引きずり価格競争に陥ってきた。『いいものを高く』売る戦略を日本は国を挙げ真剣に考える時期にきている」

■…素材や部品産業は物作りのヒエラルキーの高い位置を占めるべきだと。続きは本紙で

工業素材で感性に訴えるブランドを構築(東京・表参道のギャラリーにて)

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