ソーシャルディスタンスを意識した生活行動は、これまでに基本的な姿勢が身についてきた。緊急事態宣言が解除されても、新型コロナウイルスの第2波を防ぐためには、この行動を当分の間続けていくしかないだろう▼人が密集する電車通勤を避けるなど外出自粛要請に応えるため各社が取り組んだテレワークも、この間の取り組みで環境が整備されてきた。もはや会社に居なくても仕事がこなせ、しかも効率が上がることを認識した人も多いことだろう▼その一方で、家族が近くにいて仕事に集中できなかったり、会社のネットワークにつながりづらいといった愚痴も聞く。そう考えると、一気に普及した新たな勤務形態が定着するには時間がかかるのかも知れない▼テレスタディも随分と進んだ。休校が続くなかで、生徒がタブレットやパソコン、スマホを使って授業を受ける。自分が子供の頃には想像だにしなかったことではあるが、時代の流れなのか、いとも簡単に使いこなす▼離れた場所を意味する2つの「テレ」は課題も多そうだ。姿が見えないため必然的に成果主義になったり、プライベートと区別がつきにくく長時間労働に陥るケースがある。一方では、いじめが原因で登校拒否の生徒にテレスタディは有効な手段になり得る。企業も学校も柔軟な対応が求められる。(20・5・28)

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