欧州メーカーを中心に、自動車の電気自動車(EV)シフトが一気に加速しそうな気配だ。例えば、すでに新モデルに代替わりしているはずの車種であっても、モデルチェンジのアナウンスがないケースが散見される。次世代型ではEVに移行する方針となったため、開発期間が延びているからだ、との噂が絶えない▼残価設定ローンという方法でクルマを購入している。5年で買い換えるか、そのまま買い取って乗り続けるかを決断する必要がある。その時期が1年半後に迫ってきたので、新車情報が気になってあれこれ調べる。ある意味で楽しい時間なのだが、EVは選択肢にない▼ガソリンエンジンの胸のすくような、伸びやかな加速。そんなことを言えば、カーボンニュートラル社会を目指す昨今、非難の的になるに違いない。トルクが直ぐに立ち上がるEVの方が、より強烈な加速が楽しめるのかも知れない。それでも、もう絶滅するに違いないと思うと、最後にもう一度、大排気量のガソリン車に乗りたい▼国も社会も会社も、すべては人で成り立っている。人は、時とともに入れ替わり、世代交代が進んでいく。新しい時代はいつも、新しい世代が作っていく。分かってはいるけれど、100年の歴史が生んだ良いものも捨てがたいと思うこの頃なのである。(21・9・14)

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