コロナ禍で飲食、観光、イベントなどをはじめ幅広い業種に影響が及んだ。Go To トラベル、Go To イートといったキャンペーンで一時より持ち直した雇用環境は、再度の緊急事態宣言で再び自粛の影響を受けた。宣言解除後に一気に解消するとは思えないが、少しでも明るさが見えることを期待したい▼マイナビが実施したアルバイト採用に関する調査では、2020年末時点でアルバイト人材が不足していると回答した企業は約56%という結果だった。介護や運輸などの業種は6割を超えており、日常生活を送るために欠かせない仕事に従事するエッセンシャルワーカーの不足が目立った▼19年末比でみるとコロナ感染拡大にともない全体としては減少しているが、いぜん人手不足感は高い水準としている。コロナの影響を受けやすく客足が遠のいたサービス業などで人手不足感は緩和されているものの、以前から人手が集まりにくい業種では高水準が続いている状況だ▼医療崩壊が指摘される医療現場では、介護や看護に関する求人が大きく増加している。介護は仕事内容に比べて給与水準が低い業種の一つだ。来月の介護報酬改定で若干は上乗せされるもようだが、人出不足を解消するにはほど遠い。ますます少子高齢化が進む我が国においては憂慮すべき問題である。(21・3・4)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る