4月の中央社会保険医療協議会(中医協)で、CAR-T療法薬「キムリア」の薬価引き下げが決まった。費用対効果評価制度の最初の対象品目に選ばれ、約1年にわたる分析を経ての結果だ。だが、3000万円超の高額薬剤が発売後に150万円減額される仕組みに問題はないのか。医療経済学が専門で、制度導入にもかかわった東京大学の鎌江伊三夫特任教授に聞いた。

▼…今回の措置で、最初の薬価が間違っていたとの印象を与えませんか。

 「最初の薬価は暫定的な数字と考えるしかない。この制度は欧州を参考に2019年に本格導入されたばかりで、既存の薬価制度との調和が重要になる。まず既存ルールで迅速に保険適用して薬価を決め、その後の価格調整に使うのが“日本流”の費用対効果評価。『初めから調整した価格で出せ』という批判はもっともだが、評価には時間がかかる。ドラッグラグを避けるにはやむを得ないだろう」

▼…製薬業界は、日本流の費用対効果評価にも納得していないようです。続きは本紙で

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