東洋紡は17日、イムノクロマト法による新型コロナウイルス抗原検査キット「イムノアロー SARS-CoV-2」(写真)を開発、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表した。富山大学の抗体取得技術を用い、高い特異性と結合能を兼ね備えた抗体を取得。高性能を実現した。鼻咽頭ぬぐい液や鼻腔ぬぐい液から抗原を最短約15分で検出できる。6月中にも医療機関、検査施設向けに発売する。

 富山大の磯部正治教授と黒澤信幸教授が開発した「単一細胞由来高性能モノクローナル抗体迅速単離システム」を応用。免疫されたさまざまな動物種から多様性に富んだ数多くの抗原特異的モノクローナル抗体を迅速に取得可能なシステムで、新型コロナ抗原と反応する目的抗体を1カ月で数百種類、単離した。

 同キットは遺伝子解析など特別な装置は不要。発症から2~9日間の抗原検査の結果はPCR検査と一致率も高いことから幅広い医療施設で迅速な検査を実現できる。価格は、10テスト分で税込み6万円。

 全自動遺伝子解析装置「ジーンキューブ」なども展開する東洋紡では「新たに同キットをラインアップすることで選択肢を増やし、医療現場での新型コロナ検査体制の充実に貢献する」としている。

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